国語教育授業実践開発研究室
国語教育実践論文アーカイブ
渡辺が書いた国語教育、学校図書館関係の論文をここで公開しています。
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(2022年8月7日)
中学生はどうニュースと出会い、世の中を理解していくか
〜複雑化するニュースメディアに対応した、ニュースリテラシーを育成する授業の開発〜
国語教育実践理論研究会(KZR)で発表したニュースリテラシーを取り上げた実践レポートです。
要約
ニュースはかつてはマスメディアが独占していたが、近年ミドルメディア、パーソナルメディアによるニュースの循環(藤代 ,2019)が起きている。そこで本研究では、このようなニュースメディアの複雑化に対応するニュースリテラシーを育成する授業を開発することとした。
中学2年生を対象とした授業で、一人一台端末環境であるニュースについて複数のメディアで触れる学習活動に取り組んだ。メディアごとのニュースの取り上げ方を比較することで、メディアの長所、短所や特徴を掴み、ニュースメディアを見極める目を育てることでニュースリテラシーを涵養することを狙った。
本研究では中学生がニュースやメディアを捉えていく様相を整理し、そこから中学校段階で取り上げることのできるニュースリテラシーを検討した。
January 25, 2020
一人一台端末環境におけるアンケート調査の授業の開発
日本教育メディア学会研究会で発表した実践研究です。放送大学中川一史先生、山口眞希先生との共同研究です。
中学生を対象に、グーグルフォームを活用したアンケートづくりの授業を実践しました。
要約
近年,ビックデータ時代を迎え,データの活用に注目が集まっている。教育現場において探 究的な学習が増え,アンケートを採って課題を解決する活動が行われるようになってきた。ICT 環境の整備により手軽にウェブアンケートが活用できるようになったことも,アンケート調査 が増えた要因である。そこで中学校の総合的な学習の時間において,一人一台端末環境で学校 放送番組やグーグルフォームを活用して効率的にアンケート調査の方法を学ぶ授業を開発,実 践した。 開発した授業では,アンケート作成の具体的な手順を示した学校放送番組を視聴した後で, グループで課題解決型のアンケートの作成および調査を行った。授業の結果,アンケートの基 本的な形式や質問の表現では高い達成度が見られたものの,フェイスシートの活用に課題があ ることが明らかとなった。また,計画段階で,問題を焦点化して仮説を立て,仮説に沿って質 問を組み合わせることができるように支援することの必要性が示唆された。
March 31, 2014
中学校国語科における編集力を高める授業の開発 ―単元「戦争の記憶を受け継ぐ」授業の記録―
要約
本研究では、情報社会において必要な能力である編集力に焦点を当て、中学校国語科において編集力を高める 授業を開発し、その実践から得られた成果と課題を考察することを目的とする。授業の開発にあたり、文献研究 および編集者への調査を行い、編集力の要素を編集方針と編集技術の二つの側面で整理した。また、授業におい ては編集方針の形成と編集技術の活用の双方のプロセスを支援することの必要性を論じた。開発した単元「戦争 の記憶を受け継ぐ」においては、グループで戦争体験者へのインタビュー取材を行って雑誌を編集する学習を実 践し、編集プロセスでの学習者のつまずきや実践上の課題を見出すことができた。
キーワード:国語科、編集、メディア、雑誌、情報活用能力
March 31, 2014
中学校国語科における編集学習の動向と課題 ―「編集力」の三要素に着目して―
要約
近年、「編集」の概念が大きく拡張され、高度情報化社会における情報活用能力としての「編集力(エディターシ ップ)」に注目が集まっている。そこで、本研究では、中学校国語科において今まで取り上げられてきた編集の学 習を「メディア様式」「編集プロセス」「編集技法」の三つの観点から分析し、その課題を明らかにすることとした。 過去の中学校国語教科書の記述を分析した結果、これまでの編集の学習では、書くことの力を振り返る「ポー トフォリオ」としての学習、多様なメディアからの情報を活用する学習、文種やメディアごとの表現方法を学ぶ 学習などの意義を重視していることが示唆された。今後の課題として、様々なメディアに共通する「編集力」の 育成を目指すことや、編集プロセスにおける編集方針と編集技術との関連性を意識した学習の必要性などがあげ られる。
キーワード:国語科、情報活用能力、編集工学、編集、エディターシップ
March 31, 2014
キュレーションを活かした古典教育の可能性に関する一考察 ―単元「小林一茶企画展」の授業を通して―
要旨
本研究は、中学校国語科におけるキュレーションの視点を活かした古典学習の単元を開発し、その授業の 有効性と課題を検討するものである。そこで、1年生の生徒を対象に、小林一茶の作品を各自でテーマを決めて展 示する「小林一茶企画展」という言語活動を行う単元を設定した。授業に取り組んだ結果、多面的な魅力を持つ 一茶作品の魅力が企画展という形で活かされ、キュレーションのテキストとしての可能性が検証された。またキ ュレーションのプロセスにおけるテーマの形成過程について有効な示唆が得られた。
キーワード キュレーション 編集 古典教育 小林一茶 俳句
March 31, 2012
教育課程の展開に寄与する学校図書館を目指して ~附属中学校図書館再生の記録~
学校司書子安さんと、司書教諭の私との共著。勤務していた中学校の学校図書館の立て直しの記録です。
学校図書館関係の方には広く読んでもらえているそうです。
要約
本稿では、千葉大学教育学部附属中学校において 2011 年度の 1 年間にかけて実施した学校図書館改善に関わる取り組みの過程を振り返り、学校図書館を活性化させ、教育課程の展開に寄与するためには何が必要かを考察する。司書教諭と学校司書が協働して図書館活用教育に取り組むこと、学校図書館システムを活用した効率的な管理運営、公共図書館との連携、生徒と協働で図書館作りに取り組むことなどが、教育課程の展開に寄与する学校図書館の活性化のためには重要であることが示された。
キーワード 学校図書館 司書教諭 学校司書 学校図書館による学習支援・学習・情報センター 公共図書館との連携 図書委員会活動
March 31, 2011
「書くこと」の学習におけるのぞましい交流のあり方 ~交流を活かした「書くこと」学習の単元開発を通して~
要約
本研究は、「書くこと」の学習におけるのぞましい交流のあり方について、交流の様々なパ ターンを整理し、言語活動の表現様式を分析したうえで、短歌・エッセイ・案内の三つの表現 様式で授業実践を行い、その結果を分析し、考察を加えた。 その結果、「書くこと」の学習では、言語活動の表現様式の特徴を押さえ、最も適当な交流 の機能を明確にさせて学習に取り組ませることが重要であることが明らかになった。
キーワード 「書くこと」 交流 コーチング 創作 短歌 エッセイ 案内 協同学習